雷と窒素作用
雷は、巨大な放電現象です。
放電現象は、雲と地面との間だけでなく、雲の中(空間)でも起り、
これを「雲放電」と言います。
雲内では、偏った電荷を調整する動きが「雲放電」です。
※ 実際は、雲の下から少しずつ放電が進んでいます。
雷の現象には、電気と熱による光と音です。
雷の発光に見られる「雷光」*
*「雷光」は、雷の電気が発光する経路によります。
雷に伴うゴロゴロという音だけが聞こえる「雷鳴」*
*「雷鳴」は、雷の高熱により急激に空気が膨張し、
衝撃波が発生します。
光と音が観測される「雷電」があります。
雷は、直撃雷・誘導雷・逆流雷の三種類に分けられます。
雷をもたらす雲は、雷雲・積乱雲・入道雲と呼びます。
寒冷前線の方が温暖前線に比べて、暖気を押し上げる力が強く働くため、
雷が発生しやすくなります。
雷は、落雷だけでなく、局地的に激しい突風や雹、大雨が特徴です。
冬の雷は夏の雷に比べ、雷雲の雲底が低いため地上との距離が短くなり、
より強烈な電流(夏の雷のエネルギーに比べ100倍)が流れ危険です。
気まぐれに、どこかの雲が一発だけ雷を発生するため、予測が難しい。
雷雲は、上部にプラスの電気、下部にはマイナスの電気が溜まります。
落雷など、放電の電流はマイナスからプラスに流れます。
雲の蒸気が、上昇したり落下したりして大きな水滴になり、大粒の霰
(あられ)や雹(ひょう)になります。
大きさの違う氷の粒や霰や雹は、落下速度も違いますので、互いに衝突
を繰り返します。
そのとき「こすれ合う」ことが起こり、静電気が発生します。
衝突したときに、一方の粒子から電子をたたき出され、電子を失った方が
正の電荷、たたき出された電子を吸収した方が負の電荷に帯電します。
そのたに雲の下では負の電荷、雲の上の方では正の電荷が集まります。
また、雲底に集まった負電荷によって、大地では正電荷が誘導されます。
これを「静電誘導」と言います。
大地へ向かって走った電子は、中性の原子に衝突しますが、大きなエネ
ルギーをもっていますので、原子から電子をはじき出します。
電子を失った方は、正電荷のイオンとなり、この大気を「プラズマ」と言います。
はじき出された電子も、正電荷の大地に向かって走ります。
正電荷のところに、雲からの電子がやってきやすくなっていますので、
次から次へと電子が送り込まれ、プラズマの道を電子が突き進みます。
大地に電子がたどり着く直前に、正の電荷が登り始め「お迎え放電」
負電荷が並んで通りやすくなった道筋を正の電荷が雲まで登りつめます。
電子よりも大きなエネルギーをもった正電荷が、強烈な閃光を放ちます。
正電荷が地表から出発する前の段階で、下へ向かう電子が通った道も
光っていますが、正電荷が通ると非常に明るく輝きます。
まぶしく見える雷が、地面に落ちる際の光の筋が「稲妻」*です。
*「稲妻」……雲の内部で起こる火花放電…、稲の実る頃に多く、
雷鳴は聞こえない。光だけを指して「稲光」ともいう。
「稲の妻」と書くのはなぜなのでしょうか…、
「稲」はわかりますが、「妻」の意味が気になりますね。
「稲妻」は、稲夫(いなずま)が語源。「夫」は古語で「つま」の
ことで、読み方だけが残り「稲妻」になっているのです。
つまり、「稲が実る頃の、夫の大事な役割」という意味があり、
その時期「雷」が多いと豊作になるといわれてきたそう。
放電で、空気中の酸素や窒素がイオン化(窒素酸化物)され、天然水に
程よく溶け込み、成長の違いに影響したと結論づけた。
空気の成分は、約80%の窒素、約20%の酸素で、自然の中で形態を変化
させながら存在し、その途中である「硫酸性窒素」を植物は、栄養吸収
して成長します。
窒素原子は、大気の8割を占める窒素ガスの形で自然界に大量に存在しています。
同時に生物の体を構成するタンパク質の基本要素、アミノ酸に必ず含まれている元素でもありますが、窒素ガスの分子はきわめて安定的で、動植物はそれを直接吸収することはできません。
窒素分子を分解してアンモニアや硝酸イオン、亜硝酸イオンなど、動植物が利用できる形態に変化させる機能は、自然界ではマメ科の植物の根に共生している、根瘤バクテリアと呼ばれる細菌の作用が知られています。
雷の放電、つまり稲妻はもう一つの自然産の窒素肥料なのです。
空気中の窒素分子が、窒素化合物に変換される事を「窒素固定」と言います。
窒素固定は、雷による放電の他に紫外線や空気の燃焼、一部の細菌の作用でおきています。
土壌の窒素は、細菌の働きで硝酸塩やアンモニウム塩となり、植物が吸収します。
雷が発生する時が、稲にとって十分な日照,気温,降水とになり、「雷が稲
の栄養を作っている!沢山雷があった年は豊作だ!稲の光だ!」と言い伝
えられた考えられます。
人工的に作った肥料には多く含まれ、窒素酸化物は紫外線や工場の煙でも
光化学反応を起こし、空気中に作られています。
適量の硝酸性窒素は、植物にとって良い肥料ですが、過剰摂取で野菜など
に残っていると、体に悪影響を及ぼすものへとなります。
リズム3の「葉 面 散 布」
葉面散布の期待と効果
〇 湿害で根から養分の吸収が低下したとき
〇 微量要素欠乏を補うとき
〇 未消化の体内窒素を低減したいとき
〇 高品質に多収穫したいとき
〇 生育コントロール(栄養成長と生殖成長)
葉 面 散 布 の 時 期((目安)
エネルギー効率のよい生育が、農産物の品質を高める。
〇 葉面吸収の盛んな午前中に散布します。
〇 日中の高温時は、薬害がでやすいので注意してください。
〇 降雨直前や風の強いときは、散布を避けてください。
〇 生育ステージの栄養成長(根/株作り)や生殖成長(花芽分化)を
コントロール。
〇 根痛みの、発根/活着を補う。
※ 根傷みによって肥料分がうまく吸収できなかったり、根から吸い
上げた肥料が、高温障害などの劣悪な環境条件で植物全体に運ば
れないときに、葉面散布剤を使用することで、新しい根の発根を
促し、生育を整えることができます。定植時に葉面散布剤を施用
することで、より発根を促す効果も期待できます。
葉 面 散 布 の 希 釈 濃 度
〇 葉面散布剤を用いるときは、指示された方法で散布します。
〇 濃度が高いと葉焼けなどの障害が生じます、幼植物や生育の衰え
たときは薄く、回数で補います。
葉 面 散 布 方 法
〇 養分吸収は、葉の表面より裏面のほうが多いので裏面にも散布。
〇 古い葉より新しい葉のほうが吸収が盛んなので新葉を中心に散布。
〇 カルシウムは移動しにくい要素で、欠乏の現れている葉に散布。